運賃算出方法は?運送会社の運賃に関する豆知識5個!運送会社の運賃の上昇原因



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運送会社の運賃算出方法って、実はとても複雑なんです。トラックドライバーや配達業、物流関係者の方なら、「なぜこの運賃になるの?」と疑問に思ったことがあるでしょう。

最近では燃料費の高騰や人手不足で、運賃がどんどん上がっています。でも、その仕組みを知っていれば、運賃交渉や業務改善のヒントが見つかるかもしれません。

この記事では、運賃がどうやって決まるのか、なぜ上がり続けているのかを、わかりやすく解説します。運送業界で働く皆さんの疑問を解決できるよう、具体的な数字も交えてお話ししますね。

運賃の仕組みを理解することで、きっと今の仕事がもっと見えてくるはずです。

運送会社の運賃はどうやって決まるの?基本的な算出方法を知ろう

運送会社の運賃算出方法は、主に3つのパターンがあります。どの方法を使うかは、運送会社の方針や荷物の特性によって決まるんです。

地域間ごとの運賃表(タリフ)で決める方法

「東京から大阪まで○○円」というように、あらかじめ地域間の料金が決められている方法です。これをタリフと呼びます。

大手の運送会社では、全国の主要都市間でこのような運賃表を作っています。営業所が多い地域では、比較的安く設定されていることが多いですね。

この方法のメリットは、お客さんにとって料金がわかりやすいこと。デメリットは、実際の距離や時間に関係なく一律料金になってしまうことです。

運送距離×単価で計算する方法

走行距離に単価をかけて運賃を計算する方法です。「1キロあたり○○円」という感じですね。

この方法は非常にシンプルで、距離が長くなればなるほど運賃も高くなります。お客さんにとっても納得しやすい計算方法といえるでしょう。

ただし、渋滞や道路状況は考慮されないため、実際の運送時間とは合わない場合があります。

運送時間×単価で計算する方法

実際にかかった時間に単価をかけて運賃を計算する方法です。「1時間あたり○○円」という設定になります。

この方法は、渋滞や荷待ち時間も含めて計算されるため、ドライバーの労働時間に見合った運賃になりやすいんです。

ただし、時間帯やルートによって大きく変わるため、運送会社ごとに細かい規定を設けているケースが多いですね。

運賃の最低価格はどう決まる?原価計算の仕組み

運賃の最低ラインは、原価計算で決まります。基本的な計算式はこんな感じです。

(運送距離÷燃費)×軽油代+日数×2万円=原価
運賃=原価×1.1〜1.2(利益分)

例えば、4トントラックで500キロ走る場合を考えてみましょう。燃費が1リットルあたり4キロなら、125リットルの軽油が必要です。軽油が1リットル120円なら、燃料費だけで15,000円かかります。

これに人件費(日当2万円)を加えると、原価は35,000円。利益を20%乗せると、運賃は42,000円になる計算です。

運送会社の運賃に関する豆知識5つ

運送業界には、意外と知られていない運賃の豆知識があります。これらを知っておくと、運賃の仕組みがもっとよくわかりますよ。

豆知識1:運賃の内訳は人件費が3〜4割を占める

運賃の中で最も大きな割合を占めるのが人件費です。全日本トラック協会の調査によると、令和4年度の輸送コストのうち、人件費が37.4%を占めています。

これは、ドライバーの給料だけでなく、配車担当者や事務員の人件費も含まれています。運送業は人の手に頼る部分が多いため、どうしても人件費の割合が高くなってしまうんです。

最近では、ドライバー不足で給料を上げざるを得ない状況が続いています。これが運賃上昇の大きな要因になっているんですね。

豆知識2:燃料費は運賃全体の約2割を占める重要な要素

燃料費は運賃全体の約20%前後を占める重要な要素です。令和4年度の調査では、燃料費および車両関係費が25.9%となっています。

燃料費は原油価格の変動に大きく左右されます。2022年のロシアのウクライナ侵攻以降、ガソリン価格が急騰したため、運送会社は大きな打撃を受けました。

多くの運送会社では、燃料費の変動に対応するため「燃料サーチャージ」という仕組みを導入しています。これは、燃料費が一定の基準を超えた場合に、追加料金を請求する制度です。

豆知識3:トラックの種類によって燃費計算が変わる

トラックの大きさや種類によって、燃費は大きく変わります。一般的な燃費の目安はこんな感じです。

  • 軽トラック:1リットルあたり10〜15キロ
  • 2トントラック:1リットルあたり6〜8キロ
  • 4トントラック:1リットルあたり4〜6キロ
  • 10トントラック:1リットルあたり3〜4キロ

大型トラックほど燃費が悪くなるため、長距離輸送では燃料費の占める割合が高くなります。また、冷凍車やクレーン車などの特殊車両は、さらに燃費が悪くなる傾向があります。

豆知識4:主要幹線道路を外れると追加料金がかかる

高速道路や国道などの主要幹線道路を外れて配送する場合、追加料金が発生することが多いです。目安としては、1万円前後の追加料金がかかります。

これは、細い道路では運転に時間がかかったり、道に迷うリスクが高くなったりするためです。また、大型トラックが通れない道路もあるため、小型トラックに積み替える必要が出てくることもあります。

山間部や離島への配送では、さらに高い追加料金が設定されている場合があります。

豆知識5:運賃は国土交通省により料金の明確化が義務付けられている

運送会社は、国土交通省により運賃・料金の明確化が義務付けられています。これは、お客さんが安心して運送サービスを利用できるようにするためです。

2024年には「標準的な運賃」が改定され、平均で約8%の値上げが行われました。また、荷待ち時間料として30分あたり1,760円、荷役料として30分あたり2,180円が明記されました。

これにより、今まで曖昧だった待機時間や荷物の積み下ろし作業にも、きちんと料金が設定されるようになったんです。

なぜ運送会社の運賃は上がり続けているの?5つの主要原因

運送会社の運賃が上がり続けている背景には、複数の要因が絡み合っています。これらの原因を理解することで、今後の運賃動向も見えてきますよ。

原因1:コロナ禍でEC需要が急増し物流が逼迫

新型コロナウイルスの影響で、ECサービスの利用が爆発的に増えました。多くの人が家から商品を注文するようになったため、宅配便の需要が急増したんです。

宅配便需要の著しい増加

コロナ禍で外出自粛が続いた結果、ネット通販の利用者が大幅に増えました。特に食品や日用品の宅配需要が急増し、物流業界は対応に追われることになりました。

需要が急激に増えたのに対して、ドライバーの数は変わりません。そのため、一人ひとりの負担が重くなり、残業代などの人件費が上昇しました。

在宅ワークの普及による巣ごもり消費の影響

在宅ワークが普及したことで、平日の昼間でも自宅にいる人が増えました。これにより、今まで夜間や休日に集中していた配達が、平日の昼間にも分散されるようになりました。

一見すると配達効率が良くなりそうですが、実際には配達エリアが広がったり、再配達が減った分だけ新たな配達先が増えたりして、全体的な配達量は大幅に増加しました。

原因2:燃料費の高騰が運賃を直撃

2022年以降、燃料費の高騰が運送業界に大きな打撃を与えています。特にロシアのウクライナ侵攻は、世界的なエネルギー価格の上昇を引き起こしました。

ロシアのウクライナ侵攻による原油価格上昇

ロシアは世界第3位の産油国です。ウクライナ侵攻により、原油の供給が不安定になったため、世界的に原油価格が上昇しました。

日本でも、ガソリンや軽油の価格が大幅に上がりました。運送会社にとって燃料費は運賃の約2割を占める重要な要素のため、この上昇は経営に直接響いています。

世界第3位の産油国ロシアへの禁輸措置の影響

各国がロシア産原油の禁輸措置を実施したことで、原油の供給量が減少しました。供給が減れば価格が上がるのは当然の流れです。

この影響は長期間続いており、2025年現在でも燃料費は高い水準を維持しています。運送会社は燃料サーチャージなどで対応していますが、完全にコストを転嫁するのは難しい状況です。

原因3:慢性的なドライバー不足で人件費が上昇

運送業界では、長年にわたってドライバー不足が深刻な問題となっています。この人手不足が、運賃上昇の大きな要因になっているんです。

過去25年間で約20万人のドライバーが減少

道路貨物運送業の運転従事者数を見ると、1995年の98万人から2020年の77.9万人まで、約20万人も減少しています。

少子高齢化の影響もありますが、それ以上に運送業界の労働環境の厳しさが影響しています。長時間労働や低賃金などの問題で、若い人が運送業界を敬遠する傾向があるんです。

過重労働による離職者の増加

運送業界は、他の業界と比べて労働時間が長い傾向があります。特に長距離ドライバーは、数日間家に帰れないこともあります。

このような過重労働が原因で、体調を崩したり家庭生活に支障をきたしたりして、業界を離れる人が後を絶ちません。新しく入ってくる人よりも辞める人の方が多いため、慢性的な人手不足が続いています。

原因4:2024年問題による労働時間制限の影響

2024年4月から、トラックドライバーの労働時間に新たな制限が設けられました。これが「2024年問題」と呼ばれる課題です。

年間時間外労働時間の上限960時間制限

2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されました。これまでは実質的に制限がなかったため、大きな変化です。

この制限により、ドライバー一人ひとりが働ける時間が減ることになります。同じ量の荷物を運ぶためには、より多くのドライバーが必要になるんです。

1人のドライバーができる業務量の減少

労働時間の制限により、1人のドライバーが1年間にできる業務量が減少します。これまで残業でカバーしていた部分を、新たなドライバーを雇って対応する必要があります。

しかし、ドライバー不足の中で新たな人材を確保するのは簡単ではありません。結果として、人件費が上昇し、それが運賃に反映されることになります。

原因5:世界的なインフレと資源価格の変動

2022年以降、世界的なインフレ傾向が続いています。これは運送業界にも大きな影響を与えているんです。

海上輸送のコンテナ不足による輸送費高騰

コロナ禍の影響で、海上輸送のコンテナが不足する事態が発生しました。コンテナが足りないと、海外からの輸入品の輸送費が高くなります。

この影響は国内の陸上輸送にも波及しています。海外からの部品や原材料の価格が上がることで、トラックの部品代や修理費なども上昇しているんです。

梱包材やパレットなどの資源価格上昇

運送に使用する梱包材やパレット、ロープなどの資材価格も上昇しています。これらは石油製品が多いため、原油価格の上昇がそのまま影響しています。

また、木材不足により木製パレットの価格も上がっています。これらの資材費の上昇も、最終的には運賃に反映されることになります。

運賃変動の仕組みを理解しよう

運賃は固定されているものではなく、さまざまな要因によって変動します。その仕組みを理解することで、運賃の動きが予測しやすくなりますよ。

需要と供給のバランスが運賃に与える影響

運賃は、基本的に需要と供給のバランスで決まります。荷物を運んでほしい人(需要)が多く、運べるトラック(供給)が少なければ、運賃は上がります。

逆に、荷物が少なくてトラックが余っている状況では、運賃は下がる傾向があります。これは、運送会社同士の価格競争が激しくなるためです。

最近では、ECの普及で荷物の量は増えているのに、ドライバー不足でトラックが足りない状況が続いています。そのため、運賃は上昇傾向にあるんです。

季節やイベントによる運賃変動のパターン

運送業界には、季節やイベントによる運賃変動のパターンがあります。

年末年始やお中元・お歳暮の時期は、荷物の量が急激に増えます。この時期は、通常よりも高い運賃が設定されることが多いです。

また、引っ越しシーズンの3月〜4月も、運賃が高くなる傾向があります。新生活に向けた家具や家電の配送が増えるためです。

軽貨物配送と大型トラックの運賃変動の違い

軽貨物配送と大型トラックでは、運賃変動のパターンが異なります。

軽貨物配送は、ECの普及で需要が急激に増えています。特に即日配送や時間指定配送の需要が高く、運賃も上昇傾向にあります。

一方、大型トラックは工場間の輸送や建設資材の運搬が中心です。景気の影響を受けやすく、経済状況によって運賃が大きく変動することがあります。

運送会社が運賃上昇を抑えるための取り組み

運送会社も、運賃上昇を抑えるためにさまざまな取り組みを行っています。これらの努力により、コストを削減し、お客さんにとってより良いサービスを提供しようとしているんです。

業務効率化によるコスト削減の方法

運送会社では、業務効率化によるコスト削減に力を入れています。

配車計画の最適化により、無駄な走行距離を減らすことができます。また、荷物の積み方を工夫することで、より多くの荷物を一度に運べるようになります。

事務作業のデジタル化も進んでいます。紙の伝票をタブレットに変更したり、配達状況をリアルタイムで確認できるシステムを導入したりしています。

AIテクノロジーを活用した配車計画の最適化

最近では、AIテクノロジーを活用した配車計画の最適化が注目されています。

AIが交通状況や配達先の情報を分析して、最も効率的なルートを提案してくれます。これまでベテランドライバーの経験に頼っていた部分を、AIがサポートできるようになったんです。

また、荷物の量や配達時間を予測することで、必要なトラックの台数を事前に計算できます。これにより、無駄な車両の待機時間を減らすことができます。

オペレーション改善による労働時間短縮

2024年問題に対応するため、オペレーション改善による労働時間短縮も重要な課題です。

荷待ち時間の短縮や荷役作業の効率化により、ドライバーの労働時間を減らすことができます。また、複数のドライバーで業務を分担することで、一人あたりの負担を軽減しています。

配達ルートの見直しや、配達時間の調整なども効果的です。お客さんの協力を得ながら、より効率的な配達体制を構築しています。

DX推進による根本的な業務改革

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、根本的な業務改革を行う運送会社が増えています。

IoTセンサーを活用した車両管理や、ドライブレコーダーのデータを分析した安全運転指導なども行われています。これらの技術により、事故の減少や燃費の改善が期待できます。

また、お客さんとの情報共有もデジタル化が進んでいます。配達状況をリアルタイムで確認できるアプリや、再配達の依頼をオンラインで受け付けるシステムなどが導入されています。

運賃算出を理解して賢く運送会社を選ぼう

運賃の仕組みを理解することで、より良い運送会社を選ぶことができます。安さだけでなく、サービスの質や信頼性も考慮することが大切です。

見積もりを取る際にチェックすべきポイント

運送会社から見積もりを取る際は、以下のポイントをチェックしましょう。

基本運賃だけでなく、燃料サーチャージや各種手数料も含まれているかを確認してください。また、荷待ち時間や荷役作業の料金についても、事前に確認しておくことが重要です。

配達時間の指定や特別な取り扱いが必要な場合は、追加料金が発生する可能性があります。これらの条件も含めて、総額でいくらになるかを確認しましょう。

運賃の内訳を確認する重要性

運賃の内訳を詳しく確認することで、その運送会社の料金体系が適正かどうかを判断できます。

人件費、燃料費、車両費、保険料など、どの項目にどれくらいの費用がかかっているかを聞いてみてください。透明性の高い運送会社なら、きちんと説明してくれるはずです。

また、運賃の変動要因についても確認しておきましょう。燃料費が上がった場合の対応や、繁忙期の料金設定などを事前に知っておくことで、後々のトラブルを避けることができます。

長期契約による運賃優遇の可能性

定期的に運送サービスを利用する場合は、長期契約による運賃優遇を検討してみてください。

年間契約や複数年契約を結ぶことで、単発の依頼よりも安い運賃で利用できる場合があります。また、優先的に配車してもらえるなどのメリットもあります。

ただし、長期契約の場合は途中解約の条件や、運賃改定の条件なども確認しておくことが大切です。

運送会社との良好な関係構築のコツ

運送会社と良好な関係を築くことで、より良いサービスを受けることができます。

荷物の準備を事前に整えておいたり、配達時間を守ったりすることで、運送会社の作業効率が向上します。これにより、運賃の交渉もしやすくなります。

また、運送会社の事情を理解し、無理な要求をしないことも重要です。お互いに協力し合うことで、長期的に良い関係を維持できます。

まとめ:運賃の仕組みを知って物流コストと上手に付き合おう

今回の記事では、運送会社の運賃算出方法から上昇原因まで、幅広く解説しました。以下に要点をまとめます。

  • 運賃算出方法は地域間運賃表、距離×単価、時間×単価の3つが基本
  • 運賃の内訳は人件費が3〜4割、燃料費が約2割を占める
  • コロナ禍のEC需要急増と燃料費高騰が運賃上昇の主な原因
  • 慢性的なドライバー不足で過去25年間に約20万人が減少
  • 2024年問題により労働時間制限が運賃に影響
  • AIやDXを活用した業務効率化でコスト削減を図る運送会社が増加
  • 見積もり時は基本運賃だけでなく各種手数料も含めて確認が必要

運送業界は今、大きな変革期を迎えています。運賃上昇は避けられない流れですが、その背景を理解することで、より良い選択ができるようになります。

運送会社との信頼関係を築きながら、お互いにとってメリットのある取引を心がけてくださいね。物流コストと上手に付き合うことで、きっと業務の効率化にもつながるはずです。



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